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放射能対策と水素水についての研究論文④|肺の障害を水素で改善

≫放射能と水素についての研究論文①|水素水が放射線による精子と造血機能の損失を減らす
≫放射能と水素についての研究論文②|水素の心臓保護効果
≫放射能と水素についての研究論文③|放射線治療の副作用に対する効果

放射能と水素についての研究論文のご紹介の4本目になります。

これまで、心臓、精子、造血機能などについての論文を見てきましたが、今回紹介するのは「肺傷害」に水素水が効果があったという研究です。

 

 

肺の障害を水素水で改善

水素療法は酸化ストレスを減少させることにより、放射線照射による肺損傷を減衰させる」(Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2011 Jul 15.)

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【概要】

水素分子は細胞膜をこえて急速に拡散し、ヒドロキシルラジカル及びペルオキシ亜硝酸などの活性酸素種(ROS)を減少させ、器官における酸化ストレスによる損傷を抑制することができる、効率的な抗酸化物質です。

活性酸素は肺への放射線によるダメージに関与しています。

放射線照射によって発生する活性酸素のすばやい除去は、放射線による有害な影響から肺組織を保護してくれるため、わたしたちは水素分子が肺において放射線防護の役割を果たすことができるかどうかを検討しました。

【内容】

まずA549細胞(ヒト肺胞基底上皮腺ガン細胞)に10Gyの放射線照射を、水素分子あり、なしのケースで行いました。
そして活性酸素と細胞の損傷を分析することにより、水素分子の放射線防護効果の可能性を検討しました。

また、C57BL / 6J雌マウスには、胸部に15 Gyの放射線照射を行いました。

水素治療グループは3%の水素ガスを吸入し、水素水を飲みました。
そして水素治療後の、急性および後期放射線照射を受けた肺の損傷を評価しました。

 

【結果】

水素分子はA549細胞における放射線照射由来の活性酸素の量を減少させました。

酸化ストレスの度合とアポトーシス(細胞死)によって測られる細胞の損傷率を減少させ、細胞の生存能力を向上させました。

 

●胸郭全体に放射線を照射したマウスはその後1週間以内に、免疫組織化学や免疫ブロット法によって調べたところ、水素分子投与によって肺における酸化ストレスおよびアポトーシス、急性のダメージが減少したことが示されました。

●照射後5カ月後の胸部CT、アシュクロフトのスコア、およびIII型コラーゲン沈着を調べた結果、水素投与が肺線維症を減少させることを実証しました。

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このようなわけで、この研究は水素治療に「放射線照射による肺の損傷にたいして毒性のない防護能力がある」という価値があることを実証しました。

 

簡単に内容をまとめると、マウスの胸部への放射線照射による肺傷害に対して、水素投与がダメージを緩和させるという研究論文でした。

今回もマウスにたいする研究でしたが、「放射線による活性酸素の増加によるダメージを水素が軽減」というメカニズムは人間にも働くと考えられるので、参考にしていただけると思います。

放射線に関わる研究は人を対象にした「大規模な臨床試験」が難しいため、一般に受け入れられる確固としたエビデンスを得るのはなかなか厳しいかもしれません。

ですがこのような研究結果がもっと世に広まることで、水素利用の可能性を探るさらなる研究が進んでいくことを期待します。