水素の研究

水素水はニセ科学・疑似科学だといえるのか?

「水素水はニセ科学だ!」という指摘をされることがよくあります。

今回はこれらの指摘の根拠とされる内容を検証してみたいと思います。

 

水素水がニセ科学だといわれる内容は?

水素水がニセ科学だと指摘されている内容を調べてみると、

「たしかにこれはひどい・・!!」

といえる奇妙な論法や商品があります。

いくつかみていってみましょう。

水がH6Oに進化する?

こちらは長野県の株式会社秘鉱泉という会社のサイトにある「ゼロバランス誘導調整装置が作り出すH6Oの軌道想像図」というPDFファイルの図です。

「(一般水H2Oが)ゼロバランス誘導調整装置を通すことによりH6Oへと進化する」

など、どこをどう読んでもまったく意味不明です。苦笑

水分子【H2O】に水素原子がいくつもくっついてH6Oになるなんてことはありえません。

水素水は水(H2O)が変化して何かすごいものになるわけではなく、水のなかに水素分子が溶けこんだものです。

水素分子を運ぶ媒体として「水」があるわけで、「塩水」や「砂糖水」と同じ理屈ですね。

砂糖水の水が普通の水なのと同じく、水素水の水も普通の水、H2Oです。

このPDFの説明にもとづいた商品があるのかはわかりませんが、「有酸素水素水」という言葉も掲載されており、水素水についての混乱を引き起こす資料なのは間違いありません。

 

このような情報に触れた人が

「水素水ってやっぱりニセ科学だったんだね!」

と考えてしまうのは無理もありませんよね。

 

10円玉のサビがとれる?

もうひとつ、ツイッターでも話題になった「アスカコーポレーション」という会社の水素水宣伝広告。

『アスカコーポレーションの「真・水素水」にサビた10円玉を浸けると、1分後にはサビがとれてキレイになった』

という画像が掲載されているのですが、ビフォーアフターで10円玉の製造年が異なるという点がつっこまれまくっていました。

そもそも、このアスカコーポレーションという会社が販売している『伝説の水 水素水』という製品はペットボトル飲料なので、仮に製造時に水素分子が充てんされたとしても、飲む頃には水素分子はほとんどすべて抜けてしまっています。

(ペットボトルでは宇宙一小さい分子である水素分子を封じ込められません。)

このような会社の製品が、水素水のイメージを悪化させているのは本当に残念に思います。

 

水素医学の研究は科学的な手順ですすめられているのに・・

水素水がニセ科学だと指摘される事例を2つご紹介しましたが、これらの製品や広告は水素分子の医学研究とはまったく関係ないものです。

世界で発表されている水素医学関連の論文の数は600報を超え、

「実験室レベル→動物実験→人を対象にした臨床試験」

という正統な手順ですすめられている研究の結果が公表され続けています。

にも関わらず、水素医学の研究内容とはまったく関係のない、こうしたでたらめな理論や説明が横行していることが、「水素水はニセ科学だ!」という評判をひろめてしまっているんですよね。

(参考記事:「水素水の効果は嘘か本当か?」という議論を混乱させている4つの要因

 

『水素水』にいいかげんな業者が飛びついた理由

なぜこのようなことが起こってしまっているのか考えてみたのですが、おそらく以下のような流れがあるのでは?と考えてみました。

❶まず、水素・水素水の医学研究は・・

「水素分子が体にもたらす影響についての研究」であって、水素水は水素分子を体に届ける一つの方法にすぎない。

水素水という「水」がすごいわけではない。

❷が、「水素水」という言葉の響きから「水ビジネス」への展開を思いついた、あまりよろしくない考えをもった業者が参入

❸でたらめな説明にもとづいたでたらめな商品を販売

このような流れで「あまりよろしくない業者」が参入しやすかったのではないかと思います。

水素の医学研究についてちょっと調べると「水素水は水がすごいわけではない」というのはすぐわかるのですが・・

どうしても「すごい水」「夢のような効果をもった水」というイメージに振り回されてしまうところが、人間にはあるようです。

 

商品名からの揚げ足とりもある?

またメーカー側が誤解を生むような商品名をつけたりパッケージをつくってしまい、それを指して「ニセ科学だ」と指摘されているケースもあります。

 

ありえない化学式だけど・・

たとえばペットの治療に水素水を活用し、その成果がフジテレビで放映されたこともある遠藤犬猫病院では「H4O」という商品名の水素水を使用しています。

この「H4O」という商品名や、パッケージのイラスト(酸素に4つの水素分子が結合しているように見える)は

「H2O(水)にH2(水素分子)が溶け込んでいる」

ということを象徴的にあらわしたものだと思われます。

H4Oという状態の分子や化学式があることを主張しているわけではなく、ちょっとしたシャレということですね。

 

が、これをみて「H4Oというありえない化学式を使っている水素水はニセ科学だ!」という批判をする人もなかにはいるようです。

これは商品名をひねってつけたばかりに誤解を受けやすくなってしまったパターンだと思います。

 

H14Oなんてあり得ない!という批判

また、パッケージに「H14O」という表示がある水素水もあります。

『レドックスウォーター』

 

この水素水も、別に「H14O」という化学式が存在すると主張しているわけではなく、おそらく「水素を豊富に含んでいる」ことのシンボルとして「H14O」というデザインを入れているようなのですが、こちらも

「ありえない」
「非科学的だ」

と、水素水の評判を下げることに一役買ってしまっています。

 

こにあげたケースはメーカーに悪意があるわけではないと思いますが、結果的に「水素水はニセ科学だ」との論調に力を与えることになってしまっています。

 

「水素の効果はメカニズムがわからないからニセ科学だ」という主張

また別の話ですが、

「水素の効果はたしかに実験室や動物実験、一部の臨床試験で観察されているようだけど、そのメカニズムが解明されていないのだから科学とはいえない」

という主張もあります。

この点について、水素医学研究の第一人者である日本医科大学の太田成男教授が著書のなかで次ように書かれています。

メカニズムが不明のものを疑似科学やニセ科学と言うのは、科学の考え方として間違っています。

科学的事実というのは、再現性のある客観的な事実、現象が存在するということであって、メカニズムの解明がなされているかどうかは別問題なのです。

(『ここまでわかった水素水 最新Q&A 』太田成男著 90Pより引用)

水素の効果についてはすでに実験室・動物実験・臨床試験 の各レベルで「再現可能な現象が存在する」ことはわかっています。

この時点で「科学的事実」といえるわけなんですね。

 

メカニズムもかなり解明されてきた

さらに研究の進展により、従来は不明だった水素のはたらきのメカニズムについてもかなりわかってきています。

(参考記事:水素の働き②|遺伝子スイッチにはたらきホルモンや酵素を活性化!?

世界中で発表されている研究論文も600報を超えており、この調子でさらなる解明がすすんでいくことを期待します。

 

まとめ

ということで「水素水はニセ科学だ」と指摘される問題についてまとめると、

■ 正統な科学的手順で研究がすすめられている水素医学と、取ってつけたような奇妙な論理で「自称水素水」を宣伝・販売している「よろしくない業者」を区別することが大事

■ こうしたエセ商品や販売・宣伝手法が、水素医学の広がりをさまたげている面がある

■ メカニズムがすべて解明されていないからニセ科学だ、という指摘も間違い

このようなことがいえます。

いずれにしても情報を取捨選択できる力が私たちには求められていると考えます。

今後も、できる限り正しい情報をこのサイトで発信していきたいと思いますので、少しでも参考にしていっていただけると幸いです。